今回ご紹介する本は、
『わたしが子どもをもたない理由(わけ)』
著者:下重暁子(しもじゅう あきこ)
です。
子なしに関連する本はここ数年で増えてきていますが、個人的には子どもをもたなかった目線で本で書かれている本ばかりだと感じていました。
『わたしが子どもをもたない理由(わけ)』に関しては、著者は意図的に子どもを作らなかったので、軸としては子どもをもたなかった目線で書かれているように感じます。
わたしが子どもをもたない理由(わけ)はこんな方におすすめ
わたしが子どもを持たない理由(わけ)は、読むと「家族」「日本の歴史」をベースとし子どもをもつ・もたない事に関して書かれていることが分かりました、
第3章、第4章に関しては、子どもをもたないという点よりも「家族の問題」としての内容でした。
まだ読んでいませんが、2015年に幻冬舎から出版された50万部のベストセラーの『家族という病』に通ずるものがあるかと思います。

子どもをもたいない視点で書かれている本ですが、人間・社会・家族という根本的な部分から分析もされています。
子どもを作るか迷っている方・子どもがいる方・子どもがいない方が読んでも、なにか気づきがある本だと思います。
著者はなぜ子どももたなかったのか?
著者である下重暁子(しもじゅう あきこ)さんについてご紹介します。
下重さんは1936年生まれなので、現在84歳になられます。
この年代の方だと今よりも「子なし」であることに、風当たりが強かったのではないかなーと思いました。
本書は2017年に書かれたものなので、子なしでずっと生きてた著者自身の考えはご自分の中で完結に近いものなんじゃないかな。
著者が子どもを作らなかった理由もしっかりと本書に書かれていました。
詳細はここには書きませんが、身体的理由でも環境的な理由でもないということです。
私が使っている「選択子なし」に該当します。
著者はいわゆるキャリアウーマンなので、すべてに共感することは難しかったですが、親近感をもって読み進められたのは事実です。
わたしが子どもをもたない理由(わけ)の目次
わたしが子どもを持たない理由(わけ)本書は、5つの章で構成されています。

目次
第1章・・・子どもを産むことは無条件で良いことなのか?
第2章・・・子どもをもたない時代
第3章・・・家族という幻想が人を不幸にする
第4章・・・結婚してもしていなくても。子どもがいてもいなくても。
最終章・・・わたしが子どもをもたなかった理由
最終章は「子供はいない人生」を歩んでいる10名の女性の方々のリアルな声が書かれています。
もたなかった方・もてなかった方、両者の声が読めます。
わたしが子どもをもたない理由(わけ)のポイント
本書を読んでみて、特に印象に残った部分や感じたことをまとめました。
自分と違う生き方をしている人を同じにしたい
本書で著者は、
日本では、自分と違う生き方をしている人を引きずりおろそうとする。皆同じ価値観でないと目ざわりなのだ。
と言っています。
確かに、自分と同じ生き方をしていない人を同じにしたい人間が割と多くいるなーという実感はあります。
そのことから、
「子どもがいないと寂しいでしょう。」
「自分の子は可愛いよ。」
「老後どうするの?」
と平気で言ってしまう方がいるのだと思います。
そうして、子どもがいることが普通・良い・善とされるのでしょう。
小さい頃からよその子と同じ・はみ出さないことがイジメられない防御策でもありましたしね。
世の中ではなぜか「子どもがいる家族」の良い点だけがフィーチャーされがちですが、夫婦2人家族だからこそある良い点もたくさんあります。
多数派と違う生き方をしているからといって、不幸ではないのです。
子どもをもつ責任
「まだ生まれてもいない子どものことをそこまで考えていたら産めないわよ」
と、結婚したら子どもをもつことが当たり前だと思っている方はこう言う方が多いように感じます。
しかし私は、著者同様、生まれてくる子どもは私の意思でこの世に生まれるわけだから、その子の人生の責任をしっかりと取るという決意の元に作るべきだと思っています。
こう考える意外と多いので、生涯子どもを持ちたくないという女性が増えているのではないでしょうか。

なぜ子どもが欲しい
私自身は子どもを産みたい・欲しいと思ったことがないので、著者のように友人に聞いたことがあります。
「どうして子どもが欲しいの?」
大抵は、「それが当たり前だと思っているし、子どもが好きだから。」
本書にも似たようなことが書いてありました。
私個人的にはもっと具体的な理由が聞きたかったんですが、そのままの本心なんだと思います。
私にとっては子どもをもたないことが当たり前だから。でも、これはなかなか世間には受け入れてもらえませんし、理解してもらえませんがね(笑)。
子なし夫婦の個
本書では、下重さんのお知り合いの子なし夫婦の話がちょくちょく出てきます。
子どものいない夫婦は、それぞれの個が強く生き生きと自分の人生を歩んでいるというような内容です。
子どもがいても今の時代、生き生きとされている女性もいるでしょう。
ただ、時間的にも金銭的にも自由のきく子なし女性の方が、割合的には個を強く生きている方が多いように感じます。
家族を比較しない
人間とはどうしても他者と比較してしまうものです。
それがプラスに働くときは良いのですが、マイナスに働いてしまうことも少なくありません。
よその家族はどうしても自分よりも幸せに見えてしまう。
こんな風に自分を追い詰めている方もいるでしょう。
そもそも家族は比較するものではありません。他人の人生は自分には関係ない。
子どもがいてもいなくても、幸せになるかならないかは他者ではなく自分だと、本書では再認識できます。
主婦という仕事
私は現在パートをやめて専業主婦になったので、食いついて読んだ部分です。
本書では「主婦業は仕事」とはっきり書かれています。
又、主婦という仕事にが価値があるのかや主婦業のあり方について書かれています。
主婦という立場に少し後ろめたさや自信が持てない方に読んで欲しいポイントです。
噂好きな地方
私自身、地方都市から都会に引っ越してきてこう感じています。
「地元で子なし主婦やってるより、今の土地の方が生きやすいだろう」
結婚して都会にきたのですが、子なしさんに出会うこともありますし、人の人生に口を出してくる方は少ないように感じています。
少ないだけで、失礼な方は一定数いますし出会いましたけど(笑)。
好きな人の子どもが欲しいと思ったことがない
あまり大きな声で言えませんが、著者と同じように私もありません。

家庭環境は普通だし愛されて育ったと感じているので、環境的な要因はないかと思います。
ただ甘やかされ自分大好き、自分中心で生きている感覚はあるので、子どもを育てることよりも自分だけを気にして人生を謳歌したいという思いは無意識にあると思います。

こんな私でも、なんとなく「好きな人の子どもが欲しいと思ったことがない」と発言してはいけない空気は感じています。
子どもを作らないのは罪?
罪じゃないので呑気に生きていますが、後ろめたさを全く感じないわけではありません。
しかし私と違い社会的にも成功しできる女性である著者も、
子どもは神様からの授かりものとも言うし、私のような生き方は、罪つくりと非難されるかもしれない。
と書かれており安堵しました。ちょっと著者の弱さみたいなものが垣間見れたような。
子どもはいない人の生の声
最終章では、子どものいない女性の生の声が書かれています。
意図して子ども作らなかった方・子どもを作ろうとしたが出来なかった方・なんとなく子どもはいない人生になった方
の声です。
最後に子なし女性のリアルな心のうちが知れて、心が軽くなる子なし女性もいるのではないでしょうか。
あわせて読みたい本
本書以外にも「子なしに関する本」が出版されているので、いくつかご紹介します。
レビュー記事を書いているものあるので、お時間ございましたら読んでみてくださいね。

子なし主婦おすすめ本 子の無い人生
著者の酒井順子さんは、未婚・子なしです。
その立場からさらっと子なしや結婚感について書かれていてとても読みやすかったです。
批判的・悲観的な要素が少なく、ユーモアがあり暗くならずに最後まで読めました。
読み終わった後は「自分の人生なんだから好きに生きよう」そう思える1冊です。
あわせて読みたい
子なし主婦おすすめ本 産まないことは「逃げ」ですか?
続いては吉田潮さんによる『産まないことは「逃げ」ですか?』という本です。
前述したように結婚=出産という意識がある方は男女問わず一定数いらっしゃると思いますが、こちらの本も「本当に子どもが欲しいのか?」と投げかけるいう内容になっています。
もちろん吉田さんも子どもを持つことを悪いと言っているわけではありません。
むしろ何としてでも子どもが欲しいと思っており、様々な方法を試してきた方になります。
しかし吉田さんは不妊症であり子どもを産むことが難しい状態でした。
そしてどうにかしようと不妊治療を始め、苦労の末何とか妊娠はできたものの流産という結果になってしまいました。
そこで吉田さんは、子供は本当に欲しいのか?ということに気づき必ずしも産んだ方がいいわけではないとし気付くことができたと語っています。
不妊、流産からの気付きという中々辛いものではありますがここで区切りがついたようです。
子どもが欲しいと考えている方たちは一度本当に欲しいと思っているのか産むことによって世間や女性はこうでなくてはならないという意識に囚われていないかというのを、考えさせられる1冊となっています。
子なし主婦おすすめ本 子なしのリアル
続いては、子なし女性がリアルな生活の中で感じていることが書かれている本になります。
とってもリアルな内容です。
日頃からネットで子なしの情報を見たり、同じ子なし友達がいる方にとっては、「わかるよー」「体験したよー」と感じることがあると思います。
子なし女性であることに孤独を感じているが、あまり子なしについてネットから情報を入れない。子なし友達を作らない。という方に読んで欲しいと個人的には感じました。
他にも多勢いることを知り、心を軽くして欲しい。
子が持たないことは恥ずべきことでもないし、ひけらかすことでもない。
ただ、人生の選択の一つ。そのようにしかならなかったと言うこと。
子なし主婦おすすめ本 子なし専業主婦ですが何か?
挑戦的なタイトルが好きです♡
著者は倉本かなこさん。旦那さんと猫と仲良く暮らしてる女性です。
完璧主義なあまり生活中でストレスを抱えてしまう女性が描かれている。
「専業主婦」というだけで批判の対象になります。子持ちでもです。それが子なしとなると恐怖です(笑)
周りの目が気になり、外に出るのが億劫になる方もおられるでしょうよ。
批判が起きるのは、一部ではどこか憧れがあるからだろうと私は思います。
「子なし専業主婦」で苦しい思いをしている方は、ぜひ読んでみてください。「何か?」と言える強い心が手に入るかもですよ!
色々考えると「子ども持つ余裕なんてない」「負担がかかりすぎる」そう思う女性が子どもを持たない選択をするのは正しいのではないでしょうか?
人によっては、サポートしてくれる実家も身内もいない。そんな中で育児をするのは本当に大変なことです。
一人一人精神的・肉体的な許容範囲は違います。
子なし主婦おすすめ本 誰も教えてくれなかった 子どものいない人生の歩き方
2017年12月に出版されたくどうみやこさんの本です。
子なし主婦で1番よく読まれている本ではないでしょうか。
スッキリした。悩みが楽にあった。引き目を感じなくなった。前向きに子なし人生を楽しもうと思った!
こんな感想をよく聞きます。
本の内容は、
第1章「産む」と「産めない」の狭間で
第2章子どもがいない女性13人の人生
第3章子どもがいない女性の意識調査
第4章子どもがいない女性のカラダとココロ
第5章子どもがいない女性の心得
からなっています。
様々な理由から子どもがいない人生を歩んでいる女性たちのエピソードがメインです。
どれかに当てはまるので、多くの子なし女性に読まれている本だと思います。
『産めない』『産まない』には大きな違いがある。
私には心が痛くなる部分でした。
まとめ
子どもをもたない選択をする方は、いわゆる「すごい人(女性)」が多く読み物もなんとなく違うな〜と感じることもあります。
山口智子さんにしてもそうです。キャリアウーマンが多いですよね。
そんなすごい女性が書いた『わたしが子どもを持たない理由(わけ)』を、普通の子なし主婦がレビューしました。
他の方の書評を感想を見ていると、やや表現が強いという意見があるようですが私には普通でした(笑)。
そう言われてから読み返すとそんな気もしましたが。
まぁ、子どもをもたない人生を主張している本なので致し方ない部分ではないでしょうか。

他にも「子どもがいた方が幸せ。楽しいのに。」「子どもを作るのは自然なことでしょ。」
「なんだか傲慢。」という意見がちらほら。
やはりこう言った意見は直接言われていないので、胸にきますね(泣)。
子どもがいる人生が素晴らしく、子育ての経験ができない未熟さみたいなもんもわかっています。
その上での「子どもをもたない」選択をしました。
私には本当にキャパオーバーだし無理なんです。産んだらできるよ、わかるよという不確かな言葉では産めません。
望んでいない・子どもを育てる自信なんて無いと感じているのに、無責任に産めないのです。
これだけは言いたい。
子どもを産む・産まない
この選択をして良いんですよね。
この本でわかること
- 圧力を感じる過ぎているかも
- 子どもがいなくても幸せになれる
- 子どもをもたない理由は人それぞれ
- 幸せの形はひとりづつ違う
- 夫婦2人でも家族
- 血の繋がりが絶対ではない
ワンポイントアドバイス!
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